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2021.08.10

ライチョウの絶滅をふせぐ。切手に学生・先生が撮影した写真を採用いただきました!

本日2021年8月10日より、日本郵便株式会社信越支社がオリジナル フレーム切手「ライチョウの里 ~頸城山塊・火打山~」を販売しています。

この切手に採用されている写真は、当校の在校生・卒業生、また先生が撮影したものです!

学校のすぐ目の前、原通郵便局さんからお声がけをいただき、今回に至りました。

新潟県上越市、糸魚川市、妙高市の全郵便局及び十日町市の一部の郵便局、またWEBでも販売されていますので、ぜひご確認ください!

以下、自然ガイド・環境保全学科の斎藤先生からのコメントです。
↓↓↓

今回、原通郵便局さんからお声がけ頂き、オリジナルフレーム切手「ライチョウの里 ~頸城山塊・火打山~」に写真を提供させて頂く機会を頂きました。

今回提供した写真は2021年5月下旬の残雪期に撮ったもので、1枚は井上修一さん、もう1枚は斎藤が撮影しました。

 

ライチョウは環境省レッドリストでは絶滅危惧IB類、新潟県レッドリストでは絶滅危惧I類とされるキジ目の鳥類であり、国の特別天然記念物にも指定されます。

頚城山塊、北アルプス、乗鞍岳、御嶽山、南アルプスに分布し、火打山を含む頚城山塊のライチョウは日本最北の集団として知られます。ライチョウの自然史を理解する上で火打山の集団は重要なものですが、その個体数は20~30羽程度と少ないのが現状です。

 

なぜここまで個体数が少ないかはまだ調査が十分ではないため、はっきりとしたことは言えませんが、火打山の環境収容力と関わりがあるのかもしれません。これほどまでに個体数が少ないと、大きな環境変動があった際にこの集団が絶えてしまう恐れすらあります。

また、近年では、高山帯へのイネ科草本の分布拡大に代表される自然環境変化、中型~大型哺乳類の亜高山・高山帯への進入等が確認され、それらがライチョウの集団に及ぼす影響も懸念されています。

 

当校では、火打山のライチョウを2008年から追跡し続け、近年では植生等の生息環境調査も始めています。

このようなデータの蓄積とモニタリング調査の継続は、今後のライチョウの保全活動や自然再生事業の見直しや成否を判断する上で大切です。

 

このような調査活動に加えて、ライチョウや火打山の自然環境について広く教育普及することも同じくらいに大切です。

例えば、動物園で飼育されるライチョウの一般公開は市民の知識や保全意欲の向上に貢献したことが近年の研究で指摘されています。

https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/topics_20210414-1.html

 

今回のフレーム切手販売を契機に、多くの方々がライチョウや火打山に興味をお持ちいただき、それによりその保全の機運がさらに高まることを心から願っております。

 

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