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2020.04.16
こんにちは。i-nac小野です。
私は現在は教員をしていますが、i-nacの卒業生です。
よかったら前回コラム、【i-nacで得られる「仲間」という存在】もぜひご覧ください。
さてこれを書いている2020年4月16日、依然、新型コロナウィルスの影響が深刻化していますね。私たちが大好きなアウトドアの活動にも、なかなか出られないような状況になってしまいました。
今は本を読んだり、動画を見たりという時間になりがちですが、たまには自分のことを振り返る時間をとってみてはどうでしょう?普段の生活だと、なかなか立ち止まって考えられていなかったことが分かります。
そんなことで、教員である私が皆さんと同時期である二十歳の時に何をしていたか、少し振り返ってみました。
高校時代は工業系の学校に通っていました。
自由な校風で、毎日教室でファッション雑誌を広げ「あれがかっこいい。これは渋い。」とくだらない感じで、何となく過ごす日々。Youtubeでサーフィンしながら、海外の音楽を聴きまくっていました。
ただ、友達はおもしろくて、無駄に自分たちは特別だと思っている、変わったことをやっている奴ほどかっこいい!そんな、偏った価値観が僕たちの優越感に繋がっていました。
いろんな影響を与えてくれた仲間たち
そんな18歳の時に星野道夫に出会いました。
日本を代表するネイチャーフォトグラファーでありエッセイスト。アラスカを舞台に自然の偉大さや、その中に生きる人々を独自の視点で切りとり、多くのアウトドアマンに影響を与えました。
私がはじめて星野さんを知ったのは、テレビで放映された番組。アラスカの写真と彼の言葉に引き込まれ、正直、鳥肌が止まりませんでした。
それから何度も繰り返し同じ映像を見て、星野道夫へ、アラスカへの憧れを持つようになりました。
星野さんは、16歳の時に初めての海外旅。その後、19歳の時にアラスカのイヌイットの村を訪れます。
自分は18歳。おいおい、このままでいいのか?!俺!!って思っていました。
「20歳までにアラスカに行く!星野道夫の見た景色を見る!」それが目標になりました。
しかし、実際に行くにはまぁまぁの高さのハードルがあることに徐々に気づき、ひとまずバイトをはじめました。ただそこは学生。お金が貯まらない!バイト代も安いのに服を買ってしまったり、遊びに行ってしまったり…。
そんな状況に焦りを感じながら「俺、アラスカ行くから!」と自分を追い込むように周りに所信表明を続ける毎日でした。
今でも読み返す私のバイブル
どんどん、月日は流れて19歳の1月。やばい。このままだと20歳になってしまう!でも、資金は目標額の2/3程度。
悩みに悩んで、最後は親に「何故今、行かなければいけないのか?」を必死にプレゼンし、頭を下げスポンサーになってもらったのでした。
しかし一息ついたのも束の間。スポンサーから思いもよらない言葉が…
「アラスカはアメリカで治安も心配だし情報も少ない。だからカナダにしなさい。」
…なっ、何ーーーっ!!
でも、現状ではアラスカのハードルが高いことは薄々分かっていました。スポンサーからの要望だから…そんな言い訳を自分にしながら、いとも簡単に目的地はカナダへ。笑
そして3月。同期たちは就職活動真っ只中の中、自身初の海外へ一人旅立つことに。
念願のオーロラの下で
アラスカではないけれど、それは仕方がない。ポジティブに考えながら、憧れていた星野ワールドを追体験する旅が始まりました。
まず最初に向かったのはカナダの北の端イエローナイフ。
バンクーバーから小型機に乗り換え、到着した小さな空港の気温は-26度。刺すような気温が、遠くへ来たことを実感させてくれました。
一週間滞在し、内3日間でオーロラを見るツアーに参加。適期としては微妙とのことでしたが、なんと3日間ともオーロラに出会え、珍しい赤色のオーロラも見ることが出来たのはラッキーでした。
「今、自分は星野道夫と同じ景色を見ている」そんな風に感じられたのです。
幸先良く一つ目の目的を達成し、次の目的地バンフへ。バンフはカナダのちょうど真ん中程に位置し、一度バンクーバーに戻って、カルガリーまで飛行機。その後は、バスでバンフへ向かいます。
この道中に感じたのは、とにかくカナダは広い!同じ国内なのに、なんでこんなに遠いんだ!島国日本の小ささを身を持って感じたのでした。
憧れのバックパッカースタイルでユースホステルを転々と
さて、無事辿り着いた二つ目の目的地バンフは、国立公園でカナディアンロッキーと呼ばれる山群の中にあります。辺り一面様々な岩山の景色。そんな環境にある山小屋風なユースホステルに一週間滞在しました。
ここでは、本当に色々な人に会いました。特に現地で会った日本人には、影響を受けました。
クライミングをしに来ている人。高校を卒業し、スキーに打込む為バンフにやってきた同い年。スキーとスノーボードのインストラクターをしている人。
彼らとの交流やユースに泊まっている外国人たちを見て、こんな生き方をしてもいいんだ、学校に行って就職して、道はそれだけじゃないんだと知りました。
星野道夫の追体験が目的だった旅が、どんどん自分の旅に変わっていく。
イメージでしか知らなかったものが、どんどん自分の体験として蓄積されていく。
自分の価値観がぐいぐい押し広げられ、それは正に自分が求めていた時間で、そんな時間が過ごせたことが何より嬉しかった。
目標だった旅を終え、ばっちり就職活動に乗り遅れた20歳の私。
周りとの温度差を感じつつ「自分はこの道ではない!カナダで出会った人々のように、自由に生きたい!でも、どうやって…?」こんな悶々とした日々を過ごす中で、私は奇跡的にi-nacと出会いました。
アルプス登山実習では、憧れの縦走を経験
学生時代。今年度から復帰された松井先生と並んで。
i-nacでの日々は正にカナダの旅の続き!
憧れたアウトドア活動。憧れたカナダで出会った彼らのような生き方。
星野道夫の追体験が自分の物語になっていったように、「憧れ」というモヤモヤしたものが、自分の「経験」へと変換されていく確かな手応えがありました。
20歳最後で入学したi-nac。その始めの新入生オリエンテーションで色紙に座右の銘を書きました。
“浅き川も深く渡れ”
星野道夫さんが、小学校の卒業文集で書いたとされる言葉。浅い川だったとしても、深く感じられるかは自分次第。今もこの言葉は、困難に出会った瞬間。ネガティブな気持ちになった瞬間に思い出します。
コロナで大変な時ではありますが、ただただ現状を悲観して、過ぎ去るのを待つだけではもったいない。
この機会を自分なりに捉え、これからの自分の人生、どのように生きていきたいか深く考えてみる良い機会かもしれません。
小野 彰太(Ono Shota)
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