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2023.08.10
自然ガイド環境保全学科と自然環境保全学科の学生が
大潟水と森公園で開催された「昆虫のライトトラップ」イベントにスタッフとしてお声がけいただき
地域の親子34名に夜間の生き物について解説をしてきました!
1時間のイベントでは、低木の葉上で休む蝶(ヤマトシジミ)やアブラゼミの羽化を観察できました。
また、林の中にあるライトトラップではスズメガをはじめとした様々な蛾類や、地面を歩くゴミムシの仲間、アブラゼミやニイニイゼミなどのセミを観察できました。
道中に設置したバナナトラップ(発酵したバナナをネットに入れてつるしたもの)にはカブトムシの雌雄ペアが誘引されていました。
自然ガイドを目指す学生たちは、子どもたちに観察できた昆虫の名前の由来や生態について、意欲的に解説をしていました。
本イベントを通じて、学生たちが昆虫の夜間における行動についての知識を深めると同時に、子どもたちとのコミュニケーション能力を向上する機会にもなりました。
また、子どもたちの知識量も多く、逆に学生たちに解説してくれる姿も見られ、将来が楽しみです
昆虫は植物の送粉や分解、養分供給など、独自の生態系サービスを提供していますが、近年の研究では国境を越えて昆虫の個体数や、種多様性が減少傾向にあることが明らかになっています(Woodward., 2019)。
これに加え、近年では生活環境の変化(デジタル化)や自然体験をする機会の減少による「経験の消失」がもたらす精神的・身体的健康の劣化や環境保全意識の低下が問題視されています(Soga et al.,2016)。
一方で、大人になってから環境保全活動を意欲的にしている人は、幼少期により多様な自然環境に触れ、様々な自然体験を経験していることが明らかになっています。
つまり、現代の子供たちが今回のイベントのような自然体験をすることで、将来的に彼らの発育や自然環境に保全に対する意識を向上することに貢献できたと思いますので
今後もこういったイベントを開催していけるといいなと思っています!
・我々は「6度目の大量絶滅」の過程にいる? 昆虫の減少が表す危険なサイン、BUISNESS INSIDER, Aylin Woodward., 2019
https://www.businessinsider.jp/post-185010
・Soga, M., & Gaston, K.J., (2016). Extinction of experience: the loss of human-nature interactions. Front. Ecol. Environ. 14 (2), 94–101. https://doi.org/10.1002/fee.1225