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2012.08.02
去る7月20日から24日まで、松本市で国際ライチョウシンポジウムが開催されました昨年開催されるはずだったのですが、震災の影響で1年延期になっていたのでした。日本を含む15カ国から90人ほどのライチョウ研究者が参加しました
今回は、これまでi-nacで実施してきた火打山のライチョウの調査の結果を発表してきました日本ではなかなか話題にも上らないライチョウですが、海外の研究者たちの関心は高く、火打山の集団が日本最北限・最少の集団であり、なおかつポツンと取り残された集団らしいことから、すぐに絶滅の危険が高い集団であることを理解してもらえました(さすがです)
その後がすごかったです。フランス、アメリカ、スウェーデン、ノルウェーの研究者が声をかけてきてくれて、より詳細な調査が必要なこと、今あるデータからできること、など多くのアドバイスをしてくれました。もうすでに何通ものメールのやり取りをしており、今後i-nacのライチョウ調査は世界の研究者に更なるアドバイスをもらいながら実施していけそうです
会議後はお楽しみのフィールドトリップ。世界の研究者は日本のライチョウを見たいのです。
車でライチョウの生息地までアプローチできる乗鞍岳と立山に行きましたが、幸いにもヒナ連れのライチョウのメスをじっくりと見ることができました。
それにしても、海外と日本の自然保護や野生生物保全の体制の違いをいやというほど実感せざるを得ませんでした。正直、日本は30年遅れているなと感じました。シンポジウムでは老若男女入り乱れて、口から泡を飛ばす勢いで、皆真剣にライチョウ類の保護などについて議論する場に居合わすことができて、ものすごく充実した時を過ごすことができました。
日本にも早くこんな時代がやってくるといいなと思いつつ、今後も学生たちと火打山のライチョウ保全のために実習として調査を継続していきたいと思いを新たにしたのでした